この記事は2022年6月1日に書かれたものです。1年以上前の記事は内容が書かれた当時とは異なる可能性がありますのでご注意ください。

内部留保を巡る不毛の議論

たまには、経営者として真面目な記事も。

最近また流行りだした内部留保課税。上記のような不毛な議論が続いているが、会計(B/S)というのはあくまでも数字のことで、その数字の意味を巡って議論をしたところで、数字が思想を語ることは不可能なので不毛かと。

それがこんなツイートでしょうか。あまりにも話が噛み合っておらず、1383もいいねがつく理由がわからない。

共産党は内部留保を企業が溜め込んだ利益だと批判していますが、それは正しいです。しかし、それが現金とは限らないのも正しいです。で?? これディベートだったとどう進展するのでしょうか? 両方言っていることことは正しく、争点がありません。

厳密さをなくして、この話を個人の生活として考えれば、わかりやすいかと思います。あなたが5000万の家を買って、そのローンを完済したとする。その家は何で買ったのか。もちろん、それは「あなたが給与(利益)を溜め込んで使わなかった分=内部留保」からローンを支払って手に入れたものです。しかし、あなたの手元にあるのは、資産価値5000万円の家であり、決して現金ではない。今回、共産党はそこに課税をするということを言っているのだ。固定資産税とは別に。そこが2重課税、3重課税(給与の時点でも所得税が課税されている)だと問題視されている。ここが論点。

通常、個人資産は現金だけではない、家・車・貯金・テレビやスマホの家財道具(税法上は10万円以上のものが固定資産)などが相当しますが、そこに課税するのが今回の目的です。つまり、溜め込ませない、給料をもらったら、全部使いなさいの企業版が共産党の主張になります。

それはイコール、家を持つな、車を持つな、という主張であり、それに対して、それでは暮らせないという反論は虚しい。共同住宅(シェアハウス)や賃貸に住めば良いし、タクシーやシェアカーを使えば、良いのだ。何も所有せず、給与はその月で使い切って貯蓄は最低限、給与=利益は全部社会に還元し、個人では資産を所有しない生活は可能(成功例は知らないけど)。それが彼らの目指す共産主義なのですから、共産党の主張は全くもって彼らの思想においては正当なものである

こちらは日本共産党の党是、党としての目標。ここにもしっかりと、生産手段=大企業の資産を奪いたい(党員にすれば人民の手に取り戻したい)とあり、狙いは現金だけではない。

生産設備や施設を奪取はずっと主張していることです。ただ、共産党を知らず、会計を資本主義側の視点からしか見たことがないと、こんなツイートをしがちなのでしょうか? もう少し考えてみたいと思います。

ちなみに志位さんが大好きな企業は森ヒルズリートみたいな会社で、内部留保は資産4112億に対して、63億で、脂肪率1.5%(*)、対して嫌いなのは任天堂みたいな会社で、内部留保は資産26623億に対して、21987億で82%で人間なら死んでますね…。

*リートは税制上内部留保を溜め込めない。

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2022年3月より、東京から引っ越し熱海市の古家で田舎暮らしをスタート、月13万円生活で・ω・金持ちいわく、年収200万未満は地獄らしい。私の年収は156万円(2023)、これをどこまで減らせるか、経済的なミニマム生活に挑戦。

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