この記事は2022年8月25日に書かれたものです。1年以上前の記事は内容が書かれた当時とは異なる可能性がありますのでご注意ください。

暇と退屈の倫理学 ものすごい伏線回収

まぁまぁ、長い本でした。508ページ。船旅の途中で読み終えました。なにか一つの理論ではないなと途中で思ったのですが、あとがきで、いくつかの大学での講義がもとになっていると聞き継ぎ接ぎ感に納得。

最後の最後まで読み批判的な感想を書こうとしたのですが、最後の最後で(著者ではない方による)伏線の回収があり、なんとも言えない感情です。

贅沢とは、人間とは、から入っていき、ハイデガーの退屈から本筋を攻めていくのですが、彼のいう退屈の第二形式が理解できない。

「楽しいパーティだった、しかし、帰宅すると、私は気がつく。私は今晩、この招待に際し、本当は退屈していたのだ、と。」

…何を言っているのか全くわからないです。となると、もうここからの話は理解はできないのですが、一応、理論だっているので最後まで読み進めるはしました。はぁ、時間を無駄にした(退屈ではなかった)と思ったのですが、508ページ中の505ページの小さな注で、まさかの伏線が回収されるのだ。

注13 そのような家庭環境にいる場合、子供は常に緊急事態を生きている。子供は想像を絶するサリエンシー(saliency)に晒されながら、やがて落ち着いた時間そのものに耐えられなくなってしまう。痛む記憶ばかりが頭を占めていて、それがすぐ現れるからである。ハイデガーの退屈の第二形式を生きられるようになることが回復なのだと語った。「なんとなく暇で、なんとなく寂しいけど、こんなもんかな…」と思えることが回復である。

  • 「その後の不自由 ー 嵐のあとを生きる人たち」 上岡陽江 + 大嶋栄子

とまさかの、人の本の引用で、第二形式を理解できない自分の疑問を回収するとは…陸に戻ったら、その本を探してみます。次の課題ができたので900円の価値はありましたね。

よくよく考えれば航路なのだから当然ですが、福島原発を直接目にする日が来るとは。。

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2022年3月より、東京から引っ越し熱海市の古家で田舎暮らしをスタート、月13万円生活で・ω・金持ちいわく、年収200万未満は地獄らしい。私の年収は156万円(2023)、これをどこまで減らせるか、経済的なミニマム生活に挑戦。

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