邦題詐欺にあってしばらく放置していた本。邦題は「私たちは今でも進化しているのか?」だが、読み進めると話が違うなと思って英語の題を見てみたら「パレオファンタジー – 進化論が語る性、食事、そして生き方」でした。詐欺すぎる…。
中身はパレオダイエットに代表されるような思想に対する反論。
まぁ、中身は…この学者とは感覚が合わないですね。「欧米の赤ん坊はすぐ泣く」と項目のように、すぐに自分の文化をディスりたがる人は欧米人にもいるんですね。日本で言えば、すぐに「日本はこうだが、北欧では~」といいたがるタイプの学者。
国立がん研究所の発表によると、2003年から2007年までの期間で…中略…癌による死者の数は減少している。この期間に文明社会のプレッシャーや有害物質が減少したとは考えられないのだが。
私たちは今でも進化しているのか? P.261
他人の自分とは違う意見には論文・根拠を組み上げ批判・反論するのに、自分の意見は根拠なく、主張。赤文字の根拠はどこにもない。反論する根拠もないが、2003~2007年はアメリカは好景気、2008年にリーマンショックですから。なので、幸福な時代ではあったと思うが、この学者さんにはなにか不幸なことでもあったのだろうか。エッセイレベルだった。
ただ、一点面白かった、興味深かったのは、先進国では自然選択(自然淘汰)は、途上国やこれまでの人類が通ってきた、「たくさん子供を産んで、生き残った人間が子供を残す」=生き残り競争ではなく、「選択された人間(*)だけが子供を産む」という産まれてくる競争になったという主張だろう。
*この定義は事後的には知ることができるが、現在進行系では知れない。簡単にいえば、自然淘汰の結果を知ることはできるが、今後何が淘汰されるのかは予想にすぎない。
このロジックの示すところは、少子化を解決するためには、婚姻率の上昇ではなく、婚外子を増やす(実質的な一夫多妻制、婚外子なら何人の女性と作っても合法)ことしかない(*)ことを暗示しているように思う。フランスなどがこれで成功しています。
*または大量に産む途上国パラダイムにいる移民を積極的に入れていく。
なるほどね、仕事終わってから、酒でも飲みながら、深く考えてみます。
よし、仕事します。