コニャック・セミナー

新しい知識を仕入れるために勉強会に参加してきましたが、全く新しい経験でした。録画・録音はもちろん禁止ですが、携帯は使用できるので、講師の方の説明をメモしながら、テイスティングしながら、手元のAIで追加を情報を拾いながら、大変に充実したAIの新しい使い方でした。

例: 講師の先生 「昔は若い年数が好まれていた」

自分 : メモと年数違いをテイスティング

アプリ : フランス語の情報源をもとに追加情報を提出して

AIは下記の情報を出力し、それを読みながら、飲みながら、先生の話を聞きながら、という新しいセミナー経験になりました。ありがとうございました。

結論から申し上げますと、19世紀のコニャックは、現代私たちが珍重するような「超長期熟成(XOやオル・ダージュなど)」よりも、比較的「若い(熟成期間が短い)」状態で消費されるのが一般的でした。

フランス語の歴史資料や文献を調査した結果、19世紀におけるコニャックの熟成期間と消費について、以下のようないくつかの重要な時代背景が浮かび上がってきます。(続く)

1. 「樽売り(Vente en fût)」が主流だった時代

19世紀の後半に至るまで、コニャックの大半はガラスのボトル(Bouteille)ではなく、オーク樽(Fût de chêne)のまま輸出されていました。特に最大の市場であったイギリスのワイン商やネゴシアンが樽ごと買い取り、自国の地下室で熟成させる(アーリーランデッド:Early Landed)か、あるいはパブなどで樽から直接提供していました。

現在のように、生産者側がシャラント地方の自社カーヴで計画的に数十年の長期熟成を行い、自社ブランドのボトルとして販売するビジネスモデルが定着するのは、19世紀末頃のことです。

2. 消費スタイルの違い:「フィーヌ・ア・ロー(Fine à l’eau)」

19世紀のフランスやイギリスにおいて、コニャックは現代のように「食後にチューリップグラスで静かに香りを愉しむ極上の1杯」というより、日常的な飲み物としての側面が強くありました。

当時非常に人気だったのが、コニャックを炭酸水や水で割る**「フィーヌ・ア・ロー(Fine à l’eau)」**という飲み方です。この用途には、香りが繊細で丸くなりすぎた長期熟成古酒よりも、アルコールの力強さやブドウの若々しいパンチが残っている若いコニャック(現在のVSクラスなどに相当)のほうが適しており、広く好まれていました。

3. フィロキセラ禍(La crise du phylloxéra)という歴史的転換点

「古い(Vieux)」コニャックが現代のような神格化された価値を持つようになった最大の要因は、1870年代後半以降にシャラント地方のブドウ畑を壊滅させた害虫、フィロキセラ(ブドウネアブラムシ)の蔓延です。

この疫病により新しいオー・ド・ヴィ(eau-de-vie:原酒)の生産が激減し、市場は極端な品不足に陥りました。その結果、被害を免れてセラーに残っていた「フィロキセラ以前(Pré-phylloxéra)」の在庫が物理的に長く樽に留まることになり、これらが桁違いの希少価値を持つようになりました。「長熟=最高級」という絶対的なパラダイムは、この原酒の枯渇による副産物として19世紀末に確立されたと言えます。

4. 熟成等級(クラス)の誕生時期

等級表記の歴史を見ても、当時の需要がうかがえます。

  • V.S.O.P. (Very Superior Old Pale) は1817年にイギリスのジョージ4世の要望でヘネシー社が考案したのが始まりですが、当時は「比較的古くて色が薄い」という程度の意味合いでした。
  • X.O. (Extra Old) という「特別に古い」ことを示す等級が同じくヘネシー社によって正式に作られたのは 1870年 のことです。

つまり、19世紀も終わりに近づいてようやく「長期熟成」をひとつの確固たるカテゴリーとして打ち出す動きが本格化したことを示しています。


まとめ

19世紀のコニャック産業は、前半の「大衆的で力強い若いお酒(樽流通・水割り用)」から、世紀末のフィロキセラ禍とボトリング技術の普及を経て、「希少で高価な長期熟成酒(高級品)」へとパラダイムシフトを起こした過渡期でした。

したがって、19世紀(特に前半から中盤)においては、間違いなく現代よりも**「短い熟成」のものが主流であり、人々の生活の中で好まれて消費されていた**と言えます。

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2022年3月より、東京から引っ越し熱海市の古家で田舎暮らしをスタート、月13万円生活で・ω・金持ちいわく、年収200万未満は地獄らしい。私の年収は156万円(2023)、これをどこまで減らせるか、経済的なミニマム生活に挑戦。

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