昔からの夢で、いつか、飲食店をやってみたいと思っているのですが、夢が少し具体的になってきました。ということで、昨年から、自分の店で取り扱うならどんなお酒がいいかなと考えてきました。お客様あっての店ですので、9割はお客様のニーズに合わせたものにしますが、熱海は観光地でもあるので、観光客向けに、自分の趣味のお酒も少しは提供しようと思っています。
候補は決まっているので、それを確かめに行く旅に出て、昨日帰ってきたのですが、縁とは不思議なもので、どちらも「金に萌えない」メーカーさんでした(笑)。作り手の気持ちって、どれだけ消費者に届くのか、疑問なところもあったのですが、意外に届くものなんですね。近年の酒に高い値段つけて、高いもの売ったものが勝ちみたいなブランディング戦略、やりたい理屈もわかりますが、好きではありません。
やっぱり、行かないとわからものはあるのでしょう。今回、長野の地元の酒屋で入手した資料。
嗜好品なんだから、逆に高く売ったほうが価値を感じてもらえるんだ、なんていう意見も否定しません。でも、くり返し飲んでもらうためには、自分が飲もうと思える値段にはこだわっています。最近「コスパ」で褒めてもらうことのほうが多くて、複雑だったりもします。醸造開始以来、酒税の改定で4円の値上げしかしていません。
玉村本店 蔵元だより 社長 佐藤栄吾
おわかりのようにサンシミ赤2022はすべてのアイテムが同価格3500円、実質、値下げ。味も香りも良いけど「色が淡い」のがその理由。2022年の涼しい晩夏が「色が淡い」原因。人災ではなく、天災。ワインの値段が安いのは私のエゴイズム。
小布施ワイナリー インフォーメーション No.80
この時代に値上げしない山伏シリーズ(ビール)と、入手困難なのに色が淡いという理由で、値下げまでしちゃうワインが小布施ワイナリー・ドメイヌソガです。飲んべぇとして、漠然とそんな作り手さんなのかなと思ってはいましたが、今回現地で手に入れた資料で、しっかりと文字で確かめることができました。思いがけぬ収穫です。
帰りは生ハム。我が家の家訓に、その世界を知るためには、まずは一度、その世界の最高のものに触れて、その世界観を理解してから、解像度を上げていくべきだと言うものがあります。つまりは、100点(とされるもの)を知るから、90点のものが理解できる(その良さがわかる)のであって、90点のものをいくら理解しても、100点のものを理解することはできないという事なのかと、理解しています。
宝塚も、新人公演や学園祭の発表を最初に見ても良さはわからないと思いますが、トップの凄さがわかれば、いずれ、それらも味がしてくるものです。
ということで、現在、最高峰とされている多田さんの切りたて生ハムを食べてきました。言葉に出来る程の表現力はありませんが、それなりに最高の生ハムの世界観は理解できたかと思います。
一緒に入手した、牛の生ハム。融点の低さにびっくりです。これはすごい(値段もすごい)。
36ヶ月熟成の生ハムは、それ以外の2つがすごすぎて、驚きはなかったのですが、逆に熟成期間を長くすればするほど、驚くだけの美味しさが生まれるわけではないのかなと思ったわけです。
今回お邪魔した生ハム屋さんのスライサーが驚くほど静かで、並んでいたので、理由を聞く時間はなかったのですが、ネットには改造しているという情報があり、いろいろとまだ気になることがあるお肉屋さんでした。スライサーの改造ね、好きです♥